子どもの頃から、「言葉」に興味がありました。
大人になるにつれ、「言葉」の持つチカラに惹かれました。
「言葉」は人を喜ばせることができるし、傷つけもする。
私は、「言葉」で成功したことも、失敗したこともたくさんあります。「私の言葉は人を傷つけるから…」と思い込み、それまでのように簡単に話せなくなった時期もありました。
大学時代には、コピーライターを目指しました。こんなこと言うのはおこがましいけど、私の「言葉」で誰かが元気になったり、少しでも明るい気持ちになってくれたらいいなと思ったから。いつか、誰かの「言葉」が私にそうしてくれたように。
言葉と結晶
もう15年くらい前になるのかな。私は1冊の本に出会いました。『結晶物語』(著:江本勝)です。
本の中で、著者は水に言葉を見せたり音楽を聞かせたりして、できた結晶の写真を撮影し、紹介しています(科学的に正しいかどうかは、議論が分かれているようです)。
文字や音楽によって、全く異なる結晶ができていて驚きました。例えば、「愛」や「感謝」の言葉を見せた水は美しい結晶を作るのに対し、「ばかやろう」という言葉を見せた水は結晶構造が壊れていました。
また本の中には、4つのみかんをひとつずつビンに入れ蓋をし、それぞれのビンに「ばか」「空白(無視)」「こんにちは」「ありがとう」と書いたテープを貼り、9ケ月放置して変化を見るという実験もありました。
結果は、「ありがとう」のみかんはそのままだったのに対し、「こんにちは」は白いカビだらけに、「空白(無視)」は黒ずんでじくじくした姿になり、「ばか」は真っ黒で小さな塊になっていました。
私はどんな言葉を使っているのかな?
人間の約70%は水でできているといいます。
ふと、「私の身体の水は、いったいどんな結晶を作っているのかしら?」と思いました。
毎日どんな言葉を話しているか、聞いているか。
子どもにどんな言葉で話しかけているか。
・・・考えると、恐ろしくなりました。
子どもたちと話し合ってみた
私はよく子どもたちに、「~しなさい」と言ってしまいます。
前述の本では、「~しようね」の結晶はかわいくてやさしいイメージだったのに対し、「~しなさい」の結晶は真ん中に大きな穴が開いていて、見ていて悲しくなりました。
それぞれの言葉を言われるとどんな感覚がするのか。試しにつぶやいてみましたが、「~しなさい」と言われるより、「~しようね」と言われた方が、心があったかくなるように思いました。
いつもこんな思いをさせているんだなと、反省…。
言葉ひとつでこんなに気持ちが変わるのか!これは、しっかり考え直さなければ!
「この言葉を言われるのはイヤ」「この言葉を言われるとうれしい」と、子どもたちも色々と話してくれました。
「これからは、できるだけきれいな言葉を使おう!もしイヤな言葉を使っていたら、お互いに伝えていこうね」と約束。
きっと忘れちゃって「~しなさい」って言ってしまうこともあるだろうけど、お互いに指摘し合ったり、「これはイヤだ、言わないで」と伝え合ったりすることで、みんなが気持ちよく生活できたらいいな。
「言葉」は人を傷つけることもできるけど、喜ばせたり笑顔にしたりすることもできるから。
「言葉」の持つステキな面や良い面を、たくさん使っていきたいな。
今日も素敵な一日を!