『英雄の書(上・下)』 著:宮部みゆき

本を読むことが好きです。

まとまった時間をとるのが難しい日々を過ごしていたから、これまではなかなか読むことができませんでした。

子どもたちが大きくなったこともあり、最近は近所の図書館に2週間に1回行くように。
せっかく本を読んでもすぐに内容を忘れてしまうので、面白かった本を備忘録代わりに記しておこうと思い立ちました。

そんなこんなで最近読んだ本が、こちら。

※図書館から借りてきた本なので、貸出バーコード部分を加工させていただきました。

『英雄の書(上・下)』 著:宮部みゆき

主人公は小学5年生の女の子。
両親と中学2年生の兄のいる普通の幸せな家庭で育ったが、ある日突然兄が同級生への死傷事件を起こし、姿を消してしまう。

急に昨日までとは違う環境に放り込まれてしまった主人公はある夜、兄の部屋で不思議な本に出会い、行方知れずの兄を探すために冒険を始める・・・というお話。

なぜ優秀だった兄は同級生を殺傷したのか?
どこに行ってしまったのか?
今何をしているのか?
・・・読み進めるにつれ、謎は深まるばかり。

色々な登場人物が出てくるのだけれど、みんなひと癖ふた癖あって、人間くさいところが私は好きでした。

別の世界や根源のルールのようなものも出てきたりして、「本当にこんな世界があるかもしれない」と思ってワクワクが止まらず、主人公と一緒に謎解きをしている感覚でどんどん読み進めてしまいました。

主人公の女の子は「印を戴く者(オルキャスト)」と呼ばれるのだけれど、この言葉がもうカッコいい!(笑)

平凡で幸せな毎日を送れることは決して当たり前ではないし、人生は常に選択の繰り返し。

コインには必ず裏と表があるように、出来事や物事にも裏と表がある。
善と悪も同じで、どちらに転ぶかは本当に一瞬の”何か”によるのではないか。
果たして人はその瞬間に立ち会ったとき、本当に「正しい」選択ができるのだろうか・・・
そんなことも考えてしまった一冊です。

ファンタジー好きな人はもちろん、ちょっと日常から離れてみたい人、ただワクワクしたいにもオススメなので、お時間があればぜひ読んでみてください!